今、世界中は新型コロナ肺炎で大変なことになっています。

今現在は、ウィルスをやっつけるためのワクチンも特効薬もなく、一般的な予防策、
つまりは手洗いやうがい、マスク着用などしか施しようがないのが現状です。

「見えない敵」には「見えない力」で・・・

今現在は、神様のお力におすがりするしか、ないような状態です・・・

それならば、中国発症の疫病には、
中国の発祥宗教、道教の神様にお願いするのが一番いいのではないかと思います。

そもそも道教にはたくさんの神様がいます。

日本の神道でも「八百万の神」なんて言い方をし、たくさんの神様が存在しますが、
道教でも同じなんです。

そこで、数ある道教廟や神様たちの中から、今回のコロナ肺炎に得意そうな神様を探して、やっと見つけたのが、五毒大神というお名前の五人組の神様。

他に、五毒瘟神とか五毒大帝、五毒将軍とか呼ばれたりもしていますが、
同一の神様です。

五毒瘟神→瘟はウィスルの意味です。
大帝,将軍→親しみや尊敬の念から出た敬称

こちら五人組の神様は、元々は子供だったのですが、五福大帝(五瘟大王,五方瘟神,五福使者という呼び名もある)という、やはり5人組のかなり地位が高い神様たちがいて、

その中の劉さんという神様に取り立てられて、神様に就任しました。

道教の神様って、このように一般人から神様に神格化するケースはよくあります。

(例えば、三国志で有名な関羽は、台湾道教では商売の神様として神格化されています)

ですから、五毒大神と五福大帝の関係はこんな感じです。

上司:五福大帝【張(金)/鐘(青)/劉(赤)/史(白)/趙(黒)】
部下:五毒大神【柳(赤)/朱(青)/何(白)/薛(黒)/呉(黄)】

張とか柳が神さまの姓で、カッコ内の色は、その神様のシンボルカラーです。

では、五人の子供たちが五毒大神として神様になった神話を紹介しましょう。


むかし、五種類の生物(蝎、蛇、蜈蚣、蟾蜍、蜘蛛)は
五妖怪(五毒)と呼ばれ、

これらの五妖怪は呪術を用いて、悪さをしていました。

ある時この五妖怪が井戸の中に疫毒を混ぜ、ひとびとの間に疫病を蔓延させよう
と計画しました。

このことを知った五人の子供たちは、大人たちに伝えましたが、
信じてもらえませんでした。

子供たちは仕方なく、その井戸に身を投げて、
死をもってその井戸水が危険であることを
ひとびとに知らしめたのです。

その結果、疫病の蔓延を止めることができた。

というお話しです。

この功績を称えられ、
彼らは「五毒大神」と呼ばれる神様となりました。


ざっと、こんな感じの内容です。

神話なので、ちょっとあいまいなところもあり、
上司である五福大帝にもよく似た話があります。

それは、
優秀な青年たちが、進級試験を受けに行く途中に、井戸に飛び込んだ、

と、微妙にシチュエーションが違いますが、おおむね似たような感じです。

このような神話が元になって、
いつしか「五毒大神」は、疫病専門の神様として中国や台湾のひとびとに
頼られる存在となりました。

この五毒大神は、台湾の南部にいらっしゃいます。

昔、台湾は南部の台南が首都だったので、外国との交易もここ辺りで行われていました。

外国の商品と共に疫病や流行病も入ってきたことでしょう。

そのために疫病専門の神様は南部にいらっしゃるのだと、
思います。

さて、では、台湾の「五毒大神」がいらっしゃる廟を紹介します。

私が調べた限りでは次の4か所です。

1)港東港隆宮 
2)白龍庵安慶堂五瘟宮 
3)東港共和堂 
4)小琉球水仙宮 

では、それぞれみていきましょう。

1)港東港隆宮

金・金・金で
なかなか派手です。

正面の鎮座しているのは、盧逸公さんという神様。

この方は、元は道士で、風水が得意でした。

ある時、妖怪退治をしていて、妖怪と共に井戸に落ちて亡くなりました。

このことから神格化されたわけです。

五毒大神たちも井戸に飛び込んだので、井戸繋がりで、
こちらに祀られているのでしょうか?

そして、こちらが五毒大神

どうも5人以上いる感じですが、よくわかりません・・・(笑)

車がないと行けないような田園風景の中にあります・・・

港東港隆宮 崁頂郷港東村平和南路67號

2)白龍庵安慶堂五瘟宮

外観はこんな感じで、小さい小さい地元の廟ですね~

正面にドーンといらっしゃる大きい神様は五福大帝の中のひとり、
劉元達さんです。

ガラスが張ってあったので、光って見にくいですね…

この劉さんが、五人の子供たちを神様に就任させました。

そして、前にバーと並んでいらっしゃるのが
五毒大神たち

キレイに五色に色分けされています。
どうやら、2組の五毒大神がいらっしゃるようですね。

そして、右側の低い位置には虎爺と呼ばれる魔よけの神様

虎爺は、だいたいどこの廟でも低い所にいらっしゃいます。
(なので、ついつい見落としてしまいがち…)

左側の低い位置には土地公と呼ばれる、
地元の土地を守ってくださる神様。

こちらの神様も、
台湾ではおなじみですが、低いところが定位置
(これもガラスのせいで見にくい写真ゴメンナサイ)

この新聞はこの廟に貼ってありました。

天香炉からの炎が龍のようになっている、
という記事です。

こちらの廟は、台南の街中にあるので、
アクセスは良いです~

白龍庵安慶堂五瘟宮 台南市中西區中正路131巷8號

3)白龍庵安慶堂五瘟宮

この東港地域で最も大きくて有名な廟「東港東隆宮」の裏手、
歩いて2~3分の所にあります。

本社「東港東隆宮」と支社「東港共和堂」、
みたいな関係のようです。

こちらが、本社の「東港東隆宮」です。

この辺りは、東港という漁港なのですが、
沢山の人がひっきりなしにお参りに来ています。

そして、五毒大神がいらっしゃる共和堂は、全然人がいませんでした。

主神は邢さんという神様です。

この写真の中央にいらっしゃる方ですね。

「天皇殿」という文字、日本人には気になりますね。

これは、道教の神様の中でも最高位の玉皇大帝様をお守りするための神様
がいらっしゃる場所、という意味だそうです。

つまり邢さんは、玉皇大帝様を守るお役目なわけです。

さて、では肝心な五毒大神は?

実は、ここには普段はいらっしゃらないのです。

え~え⁉

五毒大神のイベントは、旧暦の端午節の際に行われるのですが、
その3日前に、この廟にやってくるそうです。

どこからやってくるのかは、いくら調べても資料が見当たらず…

その上、上記の2か所の廟のような像はなく、

「板」に神様のお名前が記されていて、普段はどこかに保管されているようです。

板に名前が書いてある、というのは、
日本お位牌みたいなものでしょうか?

ここの廟に守番をしているおばあさんがいるのですが、
このおばあさんは、まったく中国語がダメなんです。
台湾語のみ。
(田舎にはたまに中国語が話せない人がいます)

読み書きも出来ないので、お手上げでした。

色々聞きたいことがあって、あとから、
台湾人スタッフに電話もかけてもらったのですが、

あまり話をしたくないタイプみたいで、詳しいことはお聞きできませんでした。

本社の廟「東港東隆宮」は、かなり見ごたえのある立派な廟です。

東港共和堂 東港鎮東隆里共和街17-1號

4)小琉球水仙宮

小琉球は、上記の東港からフェリーで40分くらいの離島です。

小琉球の面積はわずか6.8平方キロ、
海岸線の長さは約12キロの小さな島です。

私は、だいぶ前に小琉球に渡ったことはありますが、
こちらの水仙宮にはいかなかったので、

写真はないです。
(いつか行ったら、アップします)

ただし、資料等で調査したところによると、こちらの廟も上記の東港共和堂と同様で、

普段は五毒大神たちは、いらっしゃらないようです。

五毒大神のイベントの端午節の1日前に、この廟にやってくるそうで、

やはり、それも「板」だそうです・・・

小琉球水仙宮 屏東縣琉球鄉本福村中山路223號

ということで、
疫病専門の神様「五毒大神」がいらっしゃる廟を紹介しました。

最初の2か所は、五毒大神の像があるのですが、
あとの2か所は、普段はいらっしゃらない、
というのが、ちょっと不思議です。

一日も早く新型コロナ肺炎が収束し、落ち着いた通常な日常が来ることを
願ってやみません。

なお、五毒大神のパワーが入った
ご符については、
こちらをご覧ください。
道教の「ご符」で新型コロナ肺炎ウィルスを寄せ付けない